だいぶ前ですが絵の練習ということで無償でSNSアイコンを描かせていただいた方が編集を担当されたそうで、送ってくださったので感想を書きたいと思います。
ありがとうございました!
私は数年前、とある全国規模の大手ブラック企業で5年ほど営業や人事の主任として勤めていました。
朝8時に出社し、帰りは2〜3時。終電はなく社宅まではタクシーで五千円。毎日のタクシー代で給料は赤字。
土日も出社。土曜日用事があるから休みたいと言えば怒鳴られる。
だから怒鳴られるの覚悟で上司からの電話をシカトして休んだりしていた。
病院に行きたいと言っても行かせてもらえずアトピーは人生で最大の悪化をむかえる。
今思うとそんなの絶対おかしいよ。全然釣り合ってないよ。
パワハラ、セクハラは当たり前で不正をしてでも売上をあげたヤツが正義。
サザンクロスシティ的な会社で社員は手斧をもったモヒカンとなり、トゲトゲの肩パットを身に付けバギーを乗り回すように営業活動をする日々でした。
そこに食料や水、種モミがあると聞けば部下を引き連れてヒャッハーしにいくモヒカン達。
新宿スワンで読んだヤクザの会社とあまり違いがなかったように思います
直接殺されやしないけど自殺した同僚はいました。入社の研修の時、私にはじめて声をかけてくれて一緒に電卓を買いに見知らぬ土地を案内してくれたメガネ男子でした…。
今その会社はもう色々な不正が発覚して潰れかけています。
もしそこで頑張り続けてもきっと何も報われない結果になったと思います。
単なるフリーターだった私が採用されマネジメントを教えてもらい、採用や教育まで担当させてもらったことはその後の人生に大きな影響を与えました。それは今なら良い経験だったと思います。Excelに詳しくなったから。
しかし、ブラック企業かどうかを判断する知識がないと自分も染まってしまうし、頑張る方向を間違ってしまう。
労基法や判例をもとに佐藤秀峰先生の漫画を使い迫力のある雰囲気で迫ってくるそれぞれの知識はとても解りやすく簡潔にかかれています。
この会社でこのまま頑張っていいんだろうか…
そう悩む人に読んでほしい一冊だと思います。
また、会社にいるのが長いだけで労基法の知識も自社の規則も知らないひとは、無意識に部下等を脅す事があります。
有給を使ったらボーナス減るぞ、とか、売上足りないから自腹で埋めろとか。
そういう人にも読んでほしいと思います。
頑張る方向が間違っていないか、正しいのか、これで自分は納得なのかを考え直す一歩になる知識を得られる一冊だと思いました。
このサザンクロスシティでは救世主は現れず、自分の身は自分で守るしかないのだから。
ブラック企業とホワイト企業の違いについて過去に書いております