息子がもうすぐ中学生になる。
息子が3歳くらいの頃、私がひとりで病院に行くというだけで夫のホールドを振り切って「いがないでええげげげげえええ!!!!」って藤原竜也もドン引きするだろうねっていうギャン泣き&裸足で追いかけてくることがあり、当時は「病院くらいスンナリ行かせてくれよ…」とグッタリしたものだった。
小学4年生まで毎晩寝かしつけをしないと寝てくれなくて、夜にやりたいことがあっても何もできず、自分が子育てで手一杯で年老いていくだけの状況に焦っていた。
息子は小さい頃トイレまであとをつけてきて、私がうんこしてる間「聞いて聞いて!」と何やらぺちゃくちゃしゃべっていたけれど、うんこに集中してるとうまく聞き取れなかったので、 話を聞いてくれない!とおこられて理不尽なおもいをしたりした。
うんこさせてくれない!って私もおこった。
生まれた時は背中にセンサーがついていてベッドに寝かせるとすぐ起きてしまうので、ずっと抱っこかおんぶをして一日過ごしていたら腱鞘炎になった。
スーパーに買い物に行くとベビーカーやカートにすぐ飽きて暴れだし、止むを得ず夫と交代しながら抱っこやおんぶで乗り切った。
買い物袋の他に10キロの米を常に抱えているようなもんで私の腕力は高まり首から肩のあたりがドラゴンボールのキャラみたいにムキムキになった。
子供ってほんとお母さんがいないとだめなのねと思っていた。何かにつけてすぐママ、ママって追いかけてきてすぐだっこをせがんで、姿が見えなくなると泣き出して。かわいいとは思うけど、ときどき何も気にせずひとりになりたいと思うのに、実際ひとりになると息子何してるかなー?大丈夫かなー?グズグズしてないかなー?って息子のことばかり考えちゃう。稀に夫と2人で飲みに行く機会があっても、楽しいけどなんだかさびしい。息子の寝相が悪すぎて一緒に寝ると熟睡できないのに、息子がどこかへ泊まりに行って家にいないとなんだか眠れない。
息子はあっという間に大きくなってしまって、身長150センチもあるから抱っこしてとせがまれることもなくなった。私がでかけても追いかけるどころか、誘ってもなかなか一緒には来てくれなくなった。寝るときも自分の部屋にさっさと行ってマンガを読みながら寝ついているようだ。
こうしてこどもがこどもだけどこどもじゃなくなる日が訪れようとしている。というかもう訪れている。
これから先、ママ!ママ!って追いかけてくることも抱っこをせがまれることも、一緒に寝ることもできなくなって、小さなこどもが母親を必要とする態度が全てもう体験できなくなってしまう。
子供が小さくて自分の時間もなく大変だった頃の記憶はすべて、子供がただただかわいかった思い出にかわっていく。
繋ぐには小さすぎる手をにぎり中腰で歩いた日々はもう二度と訪れない。
今いちばん子育てでつらいのは、こどもが親離れしていくこと。
それはもちろん成長の証であり嬉しいことで、中学生になってまで「抱っこして!」と言われても困るけど、でも、つらい。さびしい。
大人になって家を出ていく日がきたら、泣くかもしれない。さびしくて。そんでペットとか飼いだすかもしれない。
まあ大人になったら家を出て行ってもらわねば困るんだけど、でも出て行かれたらさびしい。
はぁー子育てつらい。
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