Apple Storeに行くと馬鹿になる話
朝起きていつものようにパソコンを立ち上げるとオシャレなピンクのストライプ模様が浮かび上がり、再起動を繰り返すようになる。
Apple製品は壊れ方もオシャレだ。
Time Machineで最後にバックアップしたのは8/15。あまりTime Machineの意味がない。仕事のデータが全て入っていたので、立ち上がらないのは死活問題というかしぬ。
昨日まであんなに元気だったのに、どうして…。
色々試したけど全然ダメで、あわててApple Storeに行って新しいiMacを買った。
私はApple Storeに行くと馬鹿になる。
私は普段イラストや漫画を描くことにパソコンを使っているので、最初は「実際に作業するのは液タブだから、パソコンそのものは21.5インチの小さい方でいいのではないか」「スペックは一番下でも今のものより完全に上だろう」「ということは予算もないので一番安いもので大丈夫そう」と考えていた。
しかしApple Storeで店員さんと話しているうちに「あと3〜4万高くなるだけでモニタが大きくなるならそっちのほうがいいのではないか」「あと5万高くなるだけでグラボのメモリが2倍なら、後々のことを考えたらそっちのほうがいいのではないか」「なんていうか数万しか差がないならハイエンドモデルを買ってしまったほうがいいのではないか」などと、どんどん気が大きくなっていってしまう。
気がついたら20万の予算が31万に膨れ上がっていた。
たぶん私がレクサスを買いに行くことがあれば(たぶん一生ない)「一番安い400万くらいのやつにしよう」と思ってディーラーに向かったはずが、店員さんからレクサスの説明を受けているうちに「100万でこれだけ性能と乗り心地に差があるなら500万のほうを買ったほうがいいのではないか」「もうこうなったら一番いいものを買うのが後々後悔せず長く使えるのではないか」と言い出して結局一番高いレクサス下さいと言いかねない。実際には一番安いレクサスを買うお金もないのに。
私は買い物にいくとこうして銀行口座は貧民なのに気持ちだけ大富豪になるタイプの馬鹿になる。
でももう私も大人なので落ち着いて夫に電話して相談することにした。
話しているうちに夫は「ハイエンドモデルでSSDにし、メモリも32Gくらいにしておけば間違いなく快適」とか言い出した。こいつも銀行口座は貧民なのに気持ちだけ大富豪になる馬鹿だった。結婚して12年、似た者夫婦という言葉をこれほど噛み締めた瞬間はない。
似た者夫婦の愚かさを目の当たりにしたところで私も夫も冷静になり、美麗なグラフィックのネトゲをするわけでもないからグラボの性能はそこまで高い必要もなく、一番安いモデルでも今のグラボの4倍の性能があるので、一番安いモデルにメモリを追加して買うのが一番いいのでは?という結論に達した。
幸い、旧iMacのHDDは生きていたので、取り急ぎMacBookのほうに最低限必要なデータを移すことができた。これで生きていける…仕事をやり直さないで済む…よかった…本当によかった…ドラゴンボールでナメック星のドラゴンボールが3つまで願いを叶えてくれるから一回地球のドラゴンボールで蘇生済みのクリリンも生き返らせることができる!地球の神様も生き返らせればドラゴンボールも復活する!地球のドラゴンボールなら死んだみんなを一気に生き返らすことができる!ってわかった時と同じくらいよかった…。
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