先日、大阪と仙台でトークイベントを行いました。
仙台のお店ではアジカンのゴッチと似た雰囲気のメガネ男子店員さんが調理を担当されていました。一緒にイベントを行った友人に「絶対好きでしょ?」と聞かれ、私は「はい、好きです」とまっすぐなひとみで答えたのです。
私の好みはすべて夫に収束します。
もさっとした髪、黒縁メガネ、すこし陰気で人見知りな雰囲気。
どこか自分の世界に閉じこもっていそうな感じに惹かれます。
夫は朝の出勤時間がゆっくりな分帰りが遅いため、むすこが寝付こうとした頃に帰宅します。
あの日もそうでした。
私が添い寝をしてむすこを寝かしつけていた時、家のドアが開く音がしました。いつもならお父さんの帰宅を察知したむすこが飛び起きて玄関までダッシュしてしまうのですが、その日はだいぶ眠かったのかそのまま寝付こうとしていました。
空気を察した夫は、私がつくっておいた夕飯を冷蔵庫から出すとひとりで晩酌をはじめます。
むすこが完全に寝付かずモゾモゾしているのでそばを離れられないでいるうちに夫の晩酌が盛り上がっていたようです。
寝室の隣にあるリビングから突然「マスター!!もう一杯ッ!!!」という声が聞こえてきました。何度も。
その声はただただ陽気でした。
繰り返される「マスター!!もう一杯ッ!」がモノローグであることから私は笑いをこらえきれずにいると、むすこもとうとう「ブーーーーッッ!!」と吹き出してゲラゲラ笑い出して起きてしまった。
もう少しで眠るところだったのに…とイライラする場面ながらも、ひとりで「マスター!!もう一杯!!」と言いながら晩酌を楽しんでいる夫を責める気にはなれませんでした。
そして夫には夫にしか見えていない世界がきっとあるんだろうなと思うと、また彼に惹かれていくのです。