今月のはじめ、息子はとうとう10歳になった。
ティーンエイジゃーのはじまり。ガラスの十代なんて言っても今どきは通じない。20代後半の子にはもう通じなかった。
10年前、雪の降るよく冷えた晩。日付が変わった頃に息子は生まれた。陣痛が来て入院してから4日目だった。4日も陣痛室にいると、完全に陣痛室の主と化する。新たな妊婦がきては分娩台に向かっていく姿を親指をたてて溶鉱炉に沈んでいくような気持ちで見送っているなかでようやく生まれました。4050g。でかい。今は小柄でやせっぽっちです。
あの時何もできない赤ちゃんだった息子は、10歳になってなんでもひとりでできるようになった。お風呂掃除が得意です。
なんでもひとりでできるようになったし、買い物に行こうと誘うと「家にいるからいい」と断るような自立心を身に着け(多分本当はお母さんがいない所でゲームをやりたいだけ)、外を歩くときは手を繋ごうとしてもふり払われてしまうようになってしまった。
でも夜だけはどうしてもひとりで寝てくれない。
小学校に入ってからはできるだけひとりで寝るようにしてきたんだけれど、4年生になったら何故か以前よりも「一緒に寝たい。寂しい」と言うようになった。どうしても忙しい時は「仕事があるからひとりで寝てね」とお願いしているけれど、寝室から「さびしいよ~…さびしいよぉ~…一緒に寝たいよぉ~」という声が聞こえてくる。蚊の鳴くような声というよりは、怨霊に近いイメージ。
母親としてそうして子供に必要とされるのは嬉しいし、まだまだ幼くてかわいいなぁとは思う反面、寝かせようと一緒に布団に入ってしまうと1時間はかかるのがつらい。その時間で漫画とかイラストの仕事をもっと進めたいから。下手すると寝落ちするから。
夫は仕事で帰りが23時を過ぎるので、息子が寝てしばらくしてから帰宅する。私もできたら夫が帰宅するまでにその日の仕事を終わらせて、あとは一緒に晩酌や狩りを楽しみたい。子供はかわいいけど、なかなか思い通りにいかないことにしょうがないとは思いつつも疲れていました。
先週、急にむすこが「ぼく、来週から自分の部屋で寝る。チャレンジしてみる」と言い出しました。
前途したような悩みがあったので、私は「よっしぁあああ!このままひとりで寝れるようになったらラクだー!」と思ったので、その時の気持ちを漫画にしてみました。
寂しがりは私のほうだった。