こちらを拝見して思いだしたことをかいてみます。
前職はブラック企業におりまして、詰める文化が発達進化し「激詰め」という単語が創り出されたような所で働いていました。
激詰めというのは、怒鳴る・机を蹴る等の暴力的な叱責の方法でパワーマネジメントと呼べば聞こえはマシですが、単なるパワハラです。上司という立場を利用して部下にできるだけ「自己責任」を強要することで、真面目な人ほど罪悪感を抱いて自主的に無給で残業をしたり、無給で休日出勤をするようになり、営業成績に貢献しようとします。
上司と言っても私の場合、年下のイケメンが上司だったので激詰めされることは監獄学園の副会長に叱責される男子学生のごとくご褒美になっていました。メガネをかけていたら完璧でしたがメガネはかけていなかった。
そんな激詰め文化が定着した会社では、存在しているだけでこのドMの私でも震えて泣いてチビってしまうくらい怖い上司がいました。
怒鳴り声は巨人もしくは範馬勇次郎のような咆哮、顔面は仁王像。その上司が職場に姿を見せただけで普段は威張って怒鳴り散らしている人でも目を伏せて通り過ぎるのを静かに待つような状態になります。
ある時同僚がその上司を見て「前髪が源氏パイと似てる」と言い出しました。
キメッキメの前髪を見ると源氏パイと完全に一致していました。
ある時、私を含め数名の社員が源氏パイに呼び出されて激詰めされるという事があったのですが、私はどうしても前髪を見ると源氏パイにしか見えず、反省をしているフリをしてうつむいて笑う事をこらえていました。そうしていると源氏パイは「俺が話をしている時は目を見ろ」と言うので顔をあげて源氏パイの目を見たつもりが視界にキメッキメの前髪が入ってきてしまい、結局デュブッフwwwwと吹きだしました。
源氏パイはめちゃくちゃ怒りだして、私以外を退室させました。
その時私はクビとかそういう事よりも、死ぬことを覚悟しました。むしろこんな会社早くクビにしてくれと思っていたのです。
しかし源氏パイは突然溜息をつくと「俺も本当は怒りたくねぇんだよ…」とぼやくと、一言「頼むよ。期待してるからさ」と少し疲れたような目をしながらもニッコリ微笑んで私を退室させました。
源氏パイも色々大変なんだなぁとは思いましたが、怒りたくないなら怒るのやめたらいいのに…とはさすがの私も言えなかったし、なんで笑い出したのかを聞かれないうちに去ろうと足早に私も退散。
私がその会社で5年も続いたのは、激詰めされながらも、こうしたやり取りから「普段怖い人も案外悪いひとじゃない」と感じていたからだったのですが、今思い出すと完全にドメスティックバイオレンスの伴侶を持つ人の思考になってたと思います。
最後に、部下を詰めるという形でコントロールしようとしている方にお伝えしたい事があります。
同僚のK子さんは人一倍仕事ができず、いつも上司から詰められていました。それでも辞めずに一生懸命仕事を頑張っている人でした。
ある時K子さんにmixiのアカウントが見つかり、友達申請をされたので承諾してみたところ、彼女の日記には上司に詰められたことについて毎日記録されていました。
その記録は恨みとか、いつか訴えてやろうとか、そういう意図ではなく、完全に「愛」でした。
詰められた事を喜んで、そういう表現が上司さんの愛情表現、いい所、私は愛されている、大切にされてるから一番詰められている…そんな日記でした。彼女は会社を退職した後も数年ずっとずっと上司の激詰めという愛情表現について毎日日記を更新していました。
詰めるというマネジメントも嫌われたり、部下を追い詰めたりする他に、こんな風に愛される場合もあるという事を知っておいてもらえたらと思います。
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