月曜日に憂鬱を感じる傾向は遺伝するのか、息子は朝から「何か足が痛いから学校に行けない」と言い出して、おにぎり二個をむしゃむしゃ食べていた。
普通の歩いているので大丈夫だと思うのだけれど、一度家を出てすぐに「やっぱり足痛いから学校に行けない…」とションボリした顔で家に戻ってきたので、私と夫が家を出る時間に一緒に通学することにした。
小学校は8:30ともなると通学している生徒はおらず、学校のまわりはシーンとしていた。
向かいからランドセルを背負った赤い上着を着た子供がひとりやってきたので、彼も遅刻組だったのだろう。
校門の所まで送り、息子を学校の中に入れて校門を閉じると、先に校門の中に入っていた赤い上着の男の子が息子に近寄ってきた。
背格好を見ると同学年のように見える。
二人は仲良さそうに話ながら昇降口に入っていくのを見送って、私たちは出勤すべく車に向かった。
私は昇降口で話す小学校低学年の男児二人を見て
赤い上着くん「よう…お前も今来たのか…」
むすこ「おはよう。赤い上着くんも遅れてきたの?」
赤い上着くん「まあ…な。だが遅れてきたのが幸いしたみたいだぜ…」
むすこ「??」
赤い上着くん「まだ気づいてないのか…?学校の雰囲気がいつもと違うだろ」
むすこ「あれ…みんなの上履きが…まだ下駄箱にある…?もう学校ははじまっているはずなのに?」
赤い上着くん「そうだ…。お前、さっき、お父さんとお母さんと来ただろ。校門の外に行っちまったのは間違いだったな…。もう二度と会えないかもしれないぜ」
むすこ「!?…ど、どうして…!?」
赤い上着くん「校門まで行ってみりゃわかる。間に合うとは思えないが、追いかけてみた方がいいぞ」
むすこ「…!」ダッ
駆け寄った校門をあけようとすると、門が微動だにしない上に何かが邪魔をして乗り越えることもできないことに気づく
むすこ「パパ!ママ!!」
赤い上着くん「もう校門から外には出られない。そして外の世界のやつらはこれからどんどんヤツに喰われて死んでいくんだ…」
むすこ「ウソダドンドコドーン!!」
なんていう妄想をして旦那に嬉々として話したらうんざりした顔されたよ!
我こそはバカなる妄想に住まう妖怪。